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氏素性の解らぬ陶磁器 倣南京赤絵獅子牡丹文壷

昨夜は海外から帰任された方を囲んで一献・・。

さて本日の作品は南京赤絵? 近世の写しのようにも思われます。この手の作品はときおり見受けられますが、もともとそれほど高価な作品ではないのでこちらも大様になってしまいますね。

倣南京赤絵獅子牡丹文壷
合箱
口径85*最大胴径120*底径110*高さ165

南京赤絵は350年くらい前の中国明時代末期から清王朝初期に掛けて景徳鎮の民窯で作られた南京赤絵のことです。

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17世紀に入ると各地で農民の反乱が相次ぎ明王朝は衰退し、その結果景徳鎮の官窯は消滅しましたが、民窯はしたたかに生き残りむしろ自由闊達な赤絵を作りはじめました。この中の赤絵の作品群を南京赤絵といいます。

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南京赤絵の生地の多くは従来の青味が強い白ではなく乳白色を帯びていて、これは色彩を一層際立たせる効果があるそうです。

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絵付けには基本的に染付けは用いず、色釉だけで彩色されますが、その点が天啓赤絵との大きな違いです。その色数も初期は赤、緑、黄と少なく作風はきわめて豪放です。

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その後、紺青、紫、黒、褐色などの色が増えるとこれらの色数を組み合わせ繊細華麗な作風へ変化しました。本作品は「赤」、「緑」、「紺青」、「黄」初期の頃ではなく時代の下がった作品かと思われます。台湾製も疑ってかかるべきでしょうね。

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南京赤絵は当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多いですが、日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多いとのこと。

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デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。これは南京赤絵の手法です。

最近の南京赤絵の投稿作品では下記の作品がありますが、これもまた清朝の作品?と思われます。

南京赤絵獅子牡丹紋茶入
象牙蓋 合箱
口径44*最大胴径80*底径55*高さ98

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下記の作品は参考作品です。これは明末から清初のきちんとした作品のようです。

参考作品
南京赤絵獅子牡丹文壺
思文閣 墨蹟資料目録「和の美」四八七号 P78 掲載NO36
評価金額 45万

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ただし評価金額は高すぎると思われます。

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「やはり時代があったほうが、下がった作品よりよい」という評価もあるでしょうし、本作品らは後世の模倣と見る人もいるでしょう。ただし、作品そのものの絵柄は時代が下がっても見劣りするものと決め付けないほうがいいと思います。

洗面台やトイレのちょっとした花瓶にちょうどよいでしょうが、最近なんでもぶん投げる輩が我が家にはいるので要注意です。

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食事中は「ウメが?」と聞くと「うめ~」と答える。うまいものを食べているときは暴力的行為はなし・・Image may be NSFW.
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