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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ陶磁器 はじき織部香合 伝江戸期

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桃山時代の大名茶人 古田織部が薮内剣仲(薮内流一世)の茶事に招かれた時 着物の袂(たもと)に入れて持参し、剣仲に贈ったと伝えられる織部焼はじき香合が有名ですね。

はじき織部香合 伝江戸期
合箱
幅45~50*高さ45



「はじき」とは香合などの蓋の甲に 弦形の摘みのついている物で水指の替蓋にも必ず付いていますね。織部焼の香合は、この「はじき(弾)」香合が多く、これはツマミの形に由来する名前で、伝統的な玩具(猿などの小さな飾りを、ビヨンビヨンと弾いて遊ぶ、竹に糸のついたもの)から来ているようです。

弾きは香合だけでなく、水指や、他 織部焼に多くみられるため織部=ハジキのイメージが強いようです。ハジキ香合は、四角いものが多く、時には分胴型などもあります。



織部焼には、しばしば唐津焼と共通した文様が見られますが、これは江戸初期の織部焼と唐津焼の双方ともに、当時の京都三条界隈には「唐物屋」と呼ばれる、陶磁器や絵画、染織を売る道具屋唐物屋から発注されていたことから起きる現象であろうと推察されています。



古田織部の切腹により、急速に廃れた桃山時代から江戸初期にかけての織部焼ですが、江戸時代後期になって、瀬戸で初めて日常の器として生産されるようになったそうです。



収納箱があつらえられていますが、はてさて本作品はいつ頃の作品でしょうか?

いつの時代のものかは当方では推し量る知識は持ち合わせておりませんが、「いいいものはいい」というより「よさそうなものはいい」というレベルでの蒐集ですので、読書の皆様はご了解願います。後学で新たなことが判明した場合には逐次ブログの内容を訂正しています。

ともかく骨董の世界、茶事の世界は先人らの知識で溢れています。これを知らずして死に赴くはいかにも残念です。少しでも知り得る境遇にあるなら、ゴルフなどに興じている時間があるなら知る努力をするべきでしょう。







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