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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ陶磁器 伝古九谷 吸坂手徳利 

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昨夜は以前の職場の同僚らと銀座の蕎麦屋で待ち合わせて一献・・。出された食器や酒器がなかなか味わいがあるお店で、ついつい通院・・、もとい痛飲・・。そこで本日は酒器・・。

所有していた山林の記念に伐採した欅で作ったという徳利の袴です。



揃いであるのすが、現在では徳利の袴を使う機会はどんどん少なくなってきていますが、海外で日本酒が認められるのに乗じて、酒器も海外で認められてほしいものですね。



本日の作品である「吸坂手」という陶磁器群をご存知の方はかなり陶磁器に詳しい方のように思います。有名な「古九谷」に属する作品群で非常に貴重で珍しいもののようです。滅多に入手できないものと聞いていますが、本日の作品が「古九谷」であるかどうかさておいて・・、相変わらずの「伝」ですのでご了解ください。

痛飲で帰宅した日はベットに直行でバタンキュー・・、よって朝には投稿する原稿が未整理のまま・・・。

伝古九谷 吸坂手徳利 
合箱入
口径約30*底径67*高さ186



当方も詳しくない作品群のひとつです。もっとも「古九谷」という作品群自体が縁遠い存在です。



本作品が「古九谷 吸坂手」という確証は全くありませんので、いつもながら「伝」とします。箱書に「古九谷 吸坂徳り」と記されていることから「伝古九谷 吸坂手徳利」と題しております。



金彩や染付などとデザインされた作品が多いようですが、写真では解りにくいですが本作品は渋い褐釉一色です。



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吸坂手:石川県吸坂地区の地名を冠した肥前の銹釉の磁器。

鉄釉は釉薬の中に含まれる鉄分の含有量によって発色が変化し、それによって呼称も飴釉、柿釉、鉄釉、銹釉、黒釉等と区分され、青磁も微量の鉄分によって青く発色します。

技巧に優れた生掛け焼成による柔らかい釉調の鉄釉作品は、嘗て石川県加賀市の吸坂地区で焼成されたとの説が唱えられ、その地名から「吸坂」と名付けられました。しかし、有田古窯跡の山小屋や百間窯等で、吸坂とされる鉄釉陶片が確認された事によって誤認である事が立証されました。

鉄釉を主体とした吸坂は有田産という事が確定されていますが、現在も「吸坂」という地名を冠した呼称は残っています。

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照明の影響と色調の編集で光って見えますが、全体には渋い色調です。この渋さが気に入りで購入しました。



近代には模倣品もありますので、時代も含めて判断が必要かと思います。



持ちやすい形状をしています。



お預け徳利にはいいですね。



徳利の最高峰は李朝の雨漏手、次は備前かな。真贋はともあれ、なにはともあれ、お気に入りの器で一献。暑いときには夕涼みに縁側で冷酒を・・、気心の知れた友人と、家内と。ときは一人で・・、ということで倉庫改修の2階には酒蔵としての冷蔵庫があります。

倉庫改修の披露会はいつだと友人らが・・・



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