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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ作品 伝影青刻花紋輪花鉢&伝呉須赤絵菊花龍文五寸皿 

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先週の日曜日には根津美術館へ・・、目的は遠州流の茶室の勉強会と根津美術館の至宝展示です。



意外に外国の方々の来館が多いようです。



展示作品は「那智の瀧」、「加賀光悦」など垂涎?の品々・・。茶室の勉強会の最後は「一樹庵」の見学。



なぜ「一樹庵」と号したかの理由はその中柱にあるようです。



水屋も参考に・・。

さて本日の作品は贋作考?、と題するには語弊があるようなので「氏素性の解らぬ作品」としました。

中国陶磁器は不可侵とするのが骨董の基本?のようで入り込むと痛い目にあうようです。要は贋作が多いということ。

日本の古九谷、古伊万里、鍋島、柿右衛門の精巧な贋作が多く出回り、どこかの海域と同じで日本の骨董市場に侵略気味です。ともかくかなり精巧に作られており、日本の根付までも・・、当方も幾度か騙されましたが脅威となっています。以前からかなりの贋作が製作されており、贋作を入手するほうも悪いのですが、製作する、売る方にモラルの欠片もないようです。

所蔵放棄と決め込んで近代作で作りがよいものは普段使いに徹底し、高いものは購入しないことです。「影青」、「赤絵」なども例にもれず・・。本ブログにも贋作が紛れ込んでいますが、徐々に明らかになってきますが、どれが贋作かは日々整理中です。

伝影青刻花紋輪花鉢
合箱
口径213*高台径*高さ68



影青については、海揚の南宋時代の影青風な作品もかなりの数が出まわっており、その多くは状態の悪く値段も安いようです。



また近代の作を薬品を掛けて表面の釉薬の艶を無くしたもの(贋作)、土を高台の脇に付けて出土品に見せているなどの作品には注意を要します。



影青の作品は中国,宋代の江西省,景徳鎮窯で大量に作られており、発掘品も含めて現存数も多いようです。



宋時代の模倣品は非常に精巧にできており、薄く透けてみえるほどであり、その技量に惚れ込んで真作と思っていると実は新作であるほうが多いと思います。



古さが伝わってこない? 彫りが現代的? 本作品はどうも納得がいかない??



高台内に土が付着していますが、本作品も近代作の疑いが高い作品です。ただし普段使いとして使うなら宋時代であろうとなかろうと大差はないと割り切るのもひとつの判断です。



薄い造りはそれなりの技巧が製作者にはあるようです。シャープさや刻の味はどうしてもまだ未熟・・。



しかも誂えてある箱は古い? 



杉箱というのもにくい・・? 本来の箱書きを消してある・・?? この箱は別の保存箱に使うことを検討中です。



さて読書の皆様の判断や如何に?

次の作品は「天啓」赤絵と称して売っていましたが・・?? 絵の出来がいいのこちらも普段使いの目的で購入した作品です。

呉須赤絵 菊花龍文五寸皿 
合箱入
口径150*高台径*高さ32



後になって簡略的な染付に後絵付すると贋作と称され、同時期に後絵付した作品は真作となる、よって見極めは難しいですが、絵の部分に時代があるかどうかが判断基準となります。



中国の民窯の赤絵は明末から清初にかけて官窯が衰退しており、赤絵の多くが民窯の作品が盛んに作られ、江戸初期の日本の茶人に愛用されて、多くの作品が日本からの注文で輸入されてきました。



その中には日本から型を送り、注文に応じた作品が作られたと言われています。天啓赤絵の約束事である虫喰い、砂付高台の特徴を示しています。そう、約束事がしっかりしてる作品ほど怪しいのも事実・・。



絵付の龍はお見事・・。



この作品を贋作とするかどうかは微妙のように思われます。「天啓赤絵」と称すると怪しくなると思いますが・・。



砂付高台、虫喰は本物。染付して焼成しており、釉薬上から絵付しています。



日本で作られた可能性も含めて単に「呉須赤絵」とするにはいいと思いますが・・、さてこちらも読書の皆様の判断や如何に?

陶磁器自体が魑魅魍魎たる世界、さらに中国陶磁器は魑魅魍魎・・。ただ、当方の基本は「宋」とか「天啓」と称することがなければ、基本的には使える器です。故意の贋作に嫌味がなければ・・。ただその感性が難しい。

いずれも数千円の品々・・。本物が欲しいならしっかりした骨董店での購入をお勧めします。



「おいおい、飲むのが早いよ」とどちらかが文句を言っている



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