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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ作品 壺屋焼 赤絵花草文扁壷 伝新垣栄三郎作 その3

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年が明けてからブログを編集する時間がとれず、以前に纏めた原稿でなんとか投稿が続いています。最近は仕事で難局を迎えており、なかなか打開策が見つからない状況が続いています。どうも根本的なところで軋轢があるようです。

沖縄の壷屋焼には明るさがあります。ある意味で日本の陶磁器の持っている暗さがありません。「暗さ」という表現が適切でないとすると「侘び・さび」という感覚かもしれませんが、形も豪快ですし、現代の日本人の持ち合わせている感覚・センスに合うものかもしれません。まとめて購入した作品のひとつの紹介です。

壺屋焼 赤絵花草文扁壷 伝新垣栄三郎作 その3
合箱
口径*胴幅178*胴奥行163*高台径*高さ231



浜田庄司の影響がよく解る作品になっています。このことについての詳細は以前に説明したので詳細は省略させていただきます。



浜田庄司との関わりを示す新たなエピソードには次のようなものがあります。

浜田庄司が「こういうものを作った方がいい」と壷屋焼の陶工に指導しています。たとえば仁王窯の小橋川永昌は、一等彫刻の壺をよく作っていて、赤絵でも一等彫刻の文様を描いていますが浜田庄司は「この文様はあまりよくない」と言って指導しました。ちなみに一等彫刻というのは以前に紹介した吉祥文の作品のことです。

一等彫刻の作品はよく売れたとのことでこの作品は今でも仁王窯で制作されていますが、この壺については当初は丸に近い形でしたが、浜田庄司からのアドバイスでスマートな形にしていったそうです。



このように浜田庄司は絵付だけではなく形に対しても指導を行なったようです。この形の扁壷は浜田庄司、河井寛次郎の作品にも見受けられますね。その作品については後日また。



新垣栄三郎の作品か否かの判断は小生の知力の及ぶところではありませんが、高台内には下記のような掻き印があります。



作品としてはまだまだ未成熟ですが野手溢れるいい作品だと思います。ただし家内いわく「ん~」だと

たしかに浜田庄司の作品そのものと比較すると深みという点で見劣りしていますが、現況の沖縄の焼き物の芸術性の低さに比べると数段よいものです。沖縄の陶工の奮起を期待したいものです。とにもかくにも浜田庄司と壷屋焼の関係をうかがい知れる作品には相違ない作品です。

日常に飾るのにはこういう頑丈そうな民藝作品が一番いいです。壊れる心配が少なく、壊れてもあまりダメージが大きくない



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