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Channel: 夜噺骨董談義
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水墨山之図 藤井達吉画賛 その14

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勝手口が寒いという要望で始めた勝手口の改修工事が完了しました。屋根と床はそのままとしほとんど外壁のみの改修工事でした。今では安っぽくない新建材が多々あるので、左官工事でなくても外壁はそれなりの高級感にあるものができます。



まだまだ中途半端なところはありますが、だいぶ改修する部分の格好がついてきました。茶室周りの庭造りはじっくりとやるしかありませんが、庭の砂利を義父が綺麗に直してくれました。



小春日和のときは洗濯物に下で転寝するのが義父のたのしみのようですで夏は夏で涼しいと満足のようです。



本日は藤井達吉の作品の「その14」です。藤井達吉の作品はそれほど購入金額が高くないので愉しめる作品が多く、贋作も少ないようで、当方ではまだ贋作にお目にかかったことがありません。藤井達吉は近所の方から野菜をいただくとそのお礼に都度、絵を描いてあげたそうですから、膨大な数の作品が存在するように思います。

水墨山之図 藤井達吉画賛 その14
紙本水墨軸装 軸先陶器 栗木伎茶夫鑑定箱
全体サイズ:縦1280*横590 画サイズ:縦310*横450



箱書には「八十の 口ひげそりて 筆つくり よきすみつけて 山をかきぬかも 伎生誌 押印」とあり、賛には「空庵」と落款が記されています。年齢から昭和36年頃の作と推察されます。

ん? 髯で筆を作った? 我が息子は初散髪の毛で筆を作りましたが・・・。



「伎生」とは栗木伎茶夫氏のことで藤井達吉に師事した陶芸家です。「空庵」はよく使われる藤井達吉の号です。

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栗木伎茶夫:(くりき ぎさお)陶芸家。明治41年(1908)生。藤井達吉に師事する。半世紀を超える陶歴で瀬戸陶芸界の長老と呼ばれ、土ものの赤絵の技法を用いた。文展・日展等入選多数。瀬戸市無形文化財保持者(陶芸・赤絵技法)。氏は「藤井先生の座右の一言『ロクロは自分で挽け、文様は自分で考えよ。』は、陶芸の規範であり、形と線により出来たものを科学的に処理して生まれる物が陶芸である。」と述べています。



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参考となる作品が思文閣の墨蹟資料目録に掲載されています。



本作品と同じように栗木伎茶夫氏のよる箱書の作品です。   



箱書きの書体は同じようです。

 

参考作品にある印章は他の投稿作品である下記の作品に一致します。

疎林図 藤井達吉筆 その10紙本水墨軸装軸先陶器 熊澤五六鑑定箱
全体サイズ:縦1260*横370 画サイズ:縦445*横335



絵は非常にいい感じです。思文閣の評価金額の25万は10倍のお値段だと思っていいでしょうがそれでも高いと思います。今は骨董のお値段は非常に安いと思っていいでしょう。



判読についてはとても小生の手に終えるような書体ではありません。



藤井達吉の作品の表装は味のあるものとなっています。本人の表具とそうでないものがあるようですが、総じて表具はいい表具になっている作品が多いのは工芸家として表具のデザインにこだわりのある藤井達吉の影響が後世にもあったのでしょう。



本来なら藤井達吉の掛け軸の表具はもっと面白いものですが、この程度の表具を愉しむのも掛け軸のひとつの楽しみ方です。



繰り返すようですが、日本古来の文化である掛け軸を読書の皆さんもちょっと余裕があるなら一幅気に入ったものを購入してみたらいかがでしょうか? ゴルフや酒を外で食事をするよりはまともな人生の楽しみ方です。









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