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Channel: 夜噺骨董談義
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海幸 伝竹内栖鳳筆 その7

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既成の飯碗を使用していたのですが、縁が欠けてしまい、いつものように金繕いで補修しようと思ったのですが、普段使わない自作の茶碗があるので、探し出して使うことにしました。



作品には昭和60年、盛岡の南部窯にて製作と記されていました。もう30年以上になるのかと思い出に耽ってしまいました。まだまさ初心者の頃で、窯元の先生にお手伝いいただいて作られた作品です。



もちろん抹茶用に作ったものですが、当時数多く作りましたが、その多くはガラス屋さんに頼んで底に孔を空けて、植木鉢と相成りました。抹茶用のお茶碗は思いのほか難しいものです。



少しはまともそうなものだけが手元に残っています。

白釉が志野の釉薬のようなカリっとした冷たさではなく、温もりがある感じが気に入っています。銘もちゃんとありますよ。



せっかくだから使わないと・・・・。小生が亡き後は打ち捨てられるのがオチでしょうから・・。

さて本日の作品は「鯛」・・・。年始に飾る掛け軸は干支の猿とめでたい吉祥のものと思い掛けてみました。「めでたい」と「鯛」・・・・。

海幸 伝竹内栖鳳筆
絹本着色軸装 軸先象牙 二重箱竹内四郎鑑定箱
全体サイズ:縦1280*横500 画サイズ:縦350*横360



箱には「海幸」と題され、「昭和戌子瓜月上浣 四郎観 押印」とあり、1948年(昭和23年)7月上旬の箱書と推察されます。作品は昭和12年前後の頃の作品と思われます。箱書の書体は良さそうですが、箱書の印章については、手元に同一の資料が無く同時期のものと比較が必要なようです。

 

なにしろ贋作や工芸作品の多い竹内栖鳳ですので、あくまでも「伝」です。



作品の印章はよさそうですが、竹内栖鳳の作品の真贋についての判断は総合的に行なう必要があります。



製作時期は昭和13年前後でしょう。竹内栖鳳の印章はものすごい数になります。覚えておくには無理がありますので竹内栖鳳の作品については非常に難しい入手判断になります。資料が手元にあって購入できるといいのですが、購入は一瞬のひらめきの勝負です。



表具はいいもので、二重箱が備わっています。



同題の「海幸」という代表的な作品は画集にあります。当然ながら綿密に描かれた代表作で実にリアルです。



この作品に比して、本作品は少ないタッチで描かれておりおとなしい感じがしますね。



よさそうと判断していますが、やはり「伝」が無難なところでしょうか?

ちょっと憂鬱な雰囲気の漂う展示になり、本作品は今年の展示は止めてお蔵入り・・。替わりに出てきた自作の茶碗・・・。






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