休みには息子と遊び呆けておりますが、近くにいないと「パパ、パパ」と泣いて探し回る始末です。どうにもこうにも自分のことはできない状態ですが、いまのうちとこちらも大いに楽しんでいます
本日は「狸」の作品です。
古来より「狸」の絵は「他を抜く」という語呂から吉祥図とされ、福徳を招くとして商売をする人からは珍重されています。商売繁盛・家内安全をもたらす吉祥の掛け軸です。
月下双狸図 望月金鳳筆 その2
絹本水墨軸装 軸先木製 合箱入
全体サイズ:横450*縦1170 画サイズ:横270*縦340
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望月金鳳:弘化2年(1845)生まれ、大正4年(1915)没、享年70歳。大阪の人。本名は平野学。初め森二鳳に円山派を学び、ついで西山完瑛に四条派を学ぶ。その傍ら武術を学び真陰流を修めた。
17歳頃養家を去って、京阪の地で当時の幕末の志士と交わり活躍した。明治9年上京、内務省の吏員となり、開拓使に転任、札幌県、北海道庁に勤務するが、23年辞職し画業で立つ。この間15年内国絵画共進会に出品、また23年以降日本美術協会で受賞を重ねた。
28年内国勧業博で「古木巨鷲」が妙技3等賞、30年全国絵画共進会で「月下群犬」が3等銅牌となる。31年野村文挙らと日本画会を結成。33年、パリ万博出品。40年文展開設の際、審査員選定の不満から高島北海らと正派同志会を結成、幹事となり、第1回展不出品ののち、41年第2回文展より出品、審査員を務めた。
動物画を得意とし、「狸の金鳳」と称された。日本美術協会会員。
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狸には化け狸、狸寝入りなどという面白い用語がたくさんあります。
化け狸:化ける動物の代表格といえるキツネと比較すると「狐七化け、狸八化け」といって、タヌキのほうが化け方が一枚上手であるといわれています。これについては、キツネは人を誘惑するために化けるのに対し、タヌキは人をバカにするために化けるのであり、化けること自体が好きだからという説があるそうです。分福茶釜も化け狸のひとつの逸話でしょうか。
狸寝入:動物は自らの意志で擬死(死にまね。death feigning, playing possum)をするのではなく、擬死は刺激に対する反射行動だそうです。哺乳類では、タヌキやニホンアナグマ、リス、モルモット、オポッサムなどが擬死をするとのこと。 擬死を行うことによる利点として、身体の損傷の防止と捕食者からの逃避が考えられ、擬死は捕食者に捕えられたときなどに起こるとのこと。捕食者から逃げられそうにない状況下で無理に暴れると疲労するだけでなく、身体を損傷する危険があり、捕食者は被食者が急に動かなくなると力を緩める傾向があります。このような時に捕食者から逃避できる可能性が生まれ、この機会を活かすためには身体の損傷を防ぐ必要があるから擬死をするらしいです。人間も狸寝入りして急場をしのぐらしい・・。
このような小点は小さめの収納箱にきつく巻かれて収めていると、糊付けの部分が剥がれてきます。掛け軸はきつく巻いてもいけない理由のひとつです。
糊をさして上から重しを置いてしばらくおいておきます。他に抜かれてばかりや化かされたという理由で狸を押しつぶしているわけではありません
ある程度表具はよくなりました。このようにものを大切にすることが骨董では大事です。
掛け軸は日頃からきちんと手入れをしておくことが肝要です。軸先の部分は表具部分を含めて上に埃が溜まりやすいので、飾った後に収納する際に軽くティッシュなどでふき取ったり、羽根箒で埃を落とすことです。
本日は「狸」の作品です。
古来より「狸」の絵は「他を抜く」という語呂から吉祥図とされ、福徳を招くとして商売をする人からは珍重されています。商売繁盛・家内安全をもたらす吉祥の掛け軸です。
月下双狸図 望月金鳳筆 その2
絹本水墨軸装 軸先木製 合箱入
全体サイズ:横450*縦1170 画サイズ:横270*縦340
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望月金鳳:弘化2年(1845)生まれ、大正4年(1915)没、享年70歳。大阪の人。本名は平野学。初め森二鳳に円山派を学び、ついで西山完瑛に四条派を学ぶ。その傍ら武術を学び真陰流を修めた。
17歳頃養家を去って、京阪の地で当時の幕末の志士と交わり活躍した。明治9年上京、内務省の吏員となり、開拓使に転任、札幌県、北海道庁に勤務するが、23年辞職し画業で立つ。この間15年内国絵画共進会に出品、また23年以降日本美術協会で受賞を重ねた。
28年内国勧業博で「古木巨鷲」が妙技3等賞、30年全国絵画共進会で「月下群犬」が3等銅牌となる。31年野村文挙らと日本画会を結成。33年、パリ万博出品。40年文展開設の際、審査員選定の不満から高島北海らと正派同志会を結成、幹事となり、第1回展不出品ののち、41年第2回文展より出品、審査員を務めた。
動物画を得意とし、「狸の金鳳」と称された。日本美術協会会員。
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狸には化け狸、狸寝入りなどという面白い用語がたくさんあります。
化け狸:化ける動物の代表格といえるキツネと比較すると「狐七化け、狸八化け」といって、タヌキのほうが化け方が一枚上手であるといわれています。これについては、キツネは人を誘惑するために化けるのに対し、タヌキは人をバカにするために化けるのであり、化けること自体が好きだからという説があるそうです。分福茶釜も化け狸のひとつの逸話でしょうか。
狸寝入:動物は自らの意志で擬死(死にまね。death feigning, playing possum)をするのではなく、擬死は刺激に対する反射行動だそうです。哺乳類では、タヌキやニホンアナグマ、リス、モルモット、オポッサムなどが擬死をするとのこと。 擬死を行うことによる利点として、身体の損傷の防止と捕食者からの逃避が考えられ、擬死は捕食者に捕えられたときなどに起こるとのこと。捕食者から逃げられそうにない状況下で無理に暴れると疲労するだけでなく、身体を損傷する危険があり、捕食者は被食者が急に動かなくなると力を緩める傾向があります。このような時に捕食者から逃避できる可能性が生まれ、この機会を活かすためには身体の損傷を防ぐ必要があるから擬死をするらしいです。人間も狸寝入りして急場をしのぐらしい・・。
このような小点は小さめの収納箱にきつく巻かれて収めていると、糊付けの部分が剥がれてきます。掛け軸はきつく巻いてもいけない理由のひとつです。
糊をさして上から重しを置いてしばらくおいておきます。他に抜かれてばかりや化かされたという理由で狸を押しつぶしているわけではありません
ある程度表具はよくなりました。このようにものを大切にすることが骨董では大事です。
掛け軸は日頃からきちんと手入れをしておくことが肝要です。軸先の部分は表具部分を含めて上に埃が溜まりやすいので、飾った後に収納する際に軽くティッシュなどでふき取ったり、羽根箒で埃を落とすことです。