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古備前壷 その3 室町前期

5月の帰省でいろんな経験をした息子・・、休日にはブログの原稿を制作している小生の脇でパソコン上の写真を見ながら「楽しかったね」だと・・。

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十和田湖の残雪。

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弘前公園のお茶席。

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熊が出た! ・・??

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桜、桜、・・。

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どこへ行っても花真っ盛り。

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毎日、帰宅するとぐっすり・・、さ~て、今度は飛行機かで帰省しようかな。

本日は壺シリーズ・・。

古壺の代表格は信楽です。ただ、ひとつ間違うと信楽焼はただの大きな下品な焼き物となります。備前焼もそうですが、そのあたりの鑑識眼が問われるのが壺の世界のようです。

小生は備前が好きな部類で、そこで本日は少し小さめの古備前の壷です。小さいといっても高さは30センチを超えています。

古備前壷 その3 室町前期
杉箱入
口径101*最大胴径200*底径168*高さ338

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本作品の持ち味のひとつに「胡麻」があります。備前焼の代表的な焼きなりにしての焼成の過程での「胡麻」と称せられるもので、「胡麻」とは、いわゆる自然釉をあらわす備前独特の言葉です。

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備前で、自然釉をなぜ「胡麻」と言うようになったのかは不明ですが、一説にはゴマ油の様にテラテラと光るからだとも言われています。

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この「胡麻」は、燃料の赤松のアルカリ分(K2O)が素地土の珪酸アルミニュムと反応して一種の釉を形成しているのです。

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燃料の松割木が燃えた時の灰が飛んで付着して出来る為、置き場所などの条件により色々な「胡麻」が出来ます。

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温度の高低による「かせ胡麻」「流れ胡麻」、大きさ、付き方による「飛び胡麻」「微塵胡麻」「糸胡麻」、色による「黄胡麻」「黒胡麻」などの名称がありますが、本作品の「胡麻」の呼び名はなんて呼ぶのでしょうか? 

本ブログでは下記のような作品も紹介しています。

備前徳利
古箱
口径41*最大胴径108*高さ180

ともすれば「胡麻」は汚く見えたり、わざとらしい流れになりますが、本作品のような胡麻の文様は珍しく、品の良い佳作といえるでしょう。信楽も同じで、自然釉が流れていればいいというものでもないと思います。

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なお本作品は窯印がありません。以前記述したように備前焼に、彫られた窯印が見られる様になったのは、一般的には、室町時代中期以降であると言われています。

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大窯を共同で焚くようになって、各自の製品がわかる様に手印を入れたのが始まりであろうと思われます。本作品は窯印が見られる以前の古備前と思われます。窯印がなければ古いというわけでないようですが・・。

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「胴と底は別々に作り、あとではめ込む」という、そのはめ込んだ跡があると、それは室町初期から中期にかけての古い手に見られる作行きだそうです。

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本作品はそのように作られたようにも思われますが、はっきりしません。ただ、その荒々しい作りは他のものを凌駕するものです。こうあったら、こうだという既成概念はあまり持たないほうがいいのが、陶磁器の世界のようです。

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古備前は木陰で太陽の陽を浴びたり、翳ったりする景色が見所です。

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もともと茶道具や観賞用でない実用的に作られた器です。江戸期に入り、観賞用に作られた壺は野性味が無く見劣りするもので、実用的に作られた時代の作には足元にも及びません。

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ともかくよほど大きな家でないと格好のつかない壺、しかも飾っておくのはせいぜい一つか二つをよしとするもの。これぞという美の鑑識眼が問われるもの。そう・・・、難しきもの。


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