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Channel: 夜噺骨董談義
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露朝 田中以知庵筆 その7 かわせみ

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なんやらかんやら作品が出てくる男の隠れ家ですが、乾漆の香合が出てきました。



乾漆:器物などの素地 (きじ) 製作法の一つ。木,土,石膏などの型を使って,麻布などを漆糊 (生漆に姫糊を混ぜて作る) で張り重ねて素地を作る方法をいう。中国ではこれを夾紵 (きょうちょ) といい,戦国時代に現れ,漢代に多く製作された。



塗師「哲山」というのはよく見かける棗などを制作する作家のようで、いずれお稽古用の作品かと思いますので水屋へ・・・。

さて近所のコンビニの店にカワセミの手作りの写真集が置いてありました。どうも近くを流れる子供と魚捕りした境川に生息してるらしく、市の鳥らしい。

調べてみると「近年生息域を拡大傾向にあるカワセミですが、ここ(境川)でも少数が暮らしています。コンクリーで固められた護岸から自然に近い状態になればうれしい限りです。綺麗な青い色とかわいい姿は境川のアイドルです。」という記事を見つけました。

本日はそのカワセミを描いた作品です。

露朝 田中以知庵筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1500*横630 画サイズ:縦470*横480



描いた画家の田中以知庵はすでに本ブログでなんどか取り上げた画家です。別号に咄哉州・一庵等があり、箱書きにはその号にて記載されてることもあります。

釈宗活について禅を学び、朝鮮半島に渡るなど数年にわたって求道的な生活を送っており、その飄逸な世界を描いている画家です。



画家の日本の身近な自然をこよなく愛し、みずみずしく潤いのある画風で、鳥、草花、蛙、風景などを描いた以知庵芸術に接していると、忘れかけていた日本の美を取り戻した様な気持ちになります。



近所に川があると洪水など不安の要素もありますが、動植物に触れる機会が多く、庭にいてもときおりそれらがやってきます。息子は最近遊んできたらしい。

小生が子供の頃に川で遊んだ記憶はたくさんあります。魚採り、泳ぎがメインですが、なんといっても魚採りはいろんなことをやりました。



さてカワセミがひょうきんに愛情豊かに表現され、今獲物を狙う表情が実にいいですね。このような表現美は日本画の偉大な魅力です。



掛け軸のきちんとした表具には表具師の名前があることが多く、贋作にはあまり見られないことことです。内箱には取り出しやすいように金物が付けられ、内箱に表には箱書き痛まないようにカバーがあります。カバーのない場合は紙を挟むようにするのが普通です。

 

落款・印章は下記のとおりです。

  

茶室に何気なく掛ける楽しみは掛け軸の大いなる楽しみ方。近年は掛け軸を黴臭いと仰る御仁が多いようですが、きちんとした掛け軸を扱うとそのようなことは一切ありません。かえって実に新鮮です。

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