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Channel: 夜噺骨董談義
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千代乃松原 田中以知庵筆 その2

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田中以知庵の作品は本ブログにおいては二作品目となります。

千代乃松原 田中以知庵筆 その2
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱 高島屋百貨店シール
全体サイズ:縦1480*横570 画サイズ:縦495*横570



どこの景色なのでしょうか?



白砂青松(はくしゃせいしょう)とは、白い砂と青々とした松(主にクロマツ)により形成される日本の美しい海岸の風景のたとえです。



白砂青松の景色を描いた典型像を「住吉模様」といい、現在の大阪市住吉区にある住吉大社の社前の景色(現在は市中だが、かつては海に面していた)を描いたとされます。



白砂青松と表現される景観は、以下に示されるような各種の理由により減少しています。

1.砂防工事・ダム設置などにより河川からの土砂の流入が減少し、海岸浸食が進行した。
2.波浪対策、また上記のような海岸浸食対策として、防潮堤の整備や消波ブロック類の設置が広範に進められた
3.開発に伴う海面の埋め立てや道路の敷設・拡幅など
4.マツクイムシによる松林の衰退・消滅など

日本の景色のひとつが少なくなっていくようです。


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田中以知庵:日本画家。明治26年(1896)〜昭和33年(1958)。東京生。名は兼次郎、別号に咄哉州・一庵等。

上原古年に画の手ほどきを受けたのち松本楓湖に師事し、巽画会・紅児会等で活躍する。速水御舟などともよく交友し1929年には小室翠雲の推薦により日本南画院同人となりその後は同展を中心に日展などでも活躍した。



また、釈宗活禅師に禅を学び1912年には禅号として咄哉(州)を拝受、南画研究と禅修行の為に朝鮮半島に渡るなど求道的な一面をみせ、作品では詩情に溢れた花鳥、風景画を展開、晩年は風景画に独自の画境を拓き、飄逸な絵画世界を展開した。

春陽会会友・日本南画院同人・日展審査員。昭和33年(1958)歿、65才。

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